近年の建設業界は、給与や労働条件が大きく改善されてきており、若い人たちにも働きやすい環境になってきました。
ただ、地方の建設会社には公共事業などの安定した仕事がある反面、少子高齢化や人口減少のために働き手が足りていないのが現状です。
そこで、株式会社齊藤工務店取締役の齊藤雄一(以下、雄一)と、工事部長の齊藤啓太(以下、啓太)に、

建設業界と弊社の魅力、就職を考えている若い人たちへのメッセージなどを語ってもらいました。

齊藤工務店の特徴・強みはなんですか

啓太

 他の会社と比べて、現場作業が格段に速いところです。弊社では社長がしっかり現場に出ていて、「創意工夫をすること」「きれいに、速くやること」を常に意識するよう言われています。おかげで仕事は早く終わるので、残業はなく、基本的には定時で帰れます。

雄一

 社長は、人の無駄な動きを徹底的になくすことを大切にしています。特に仕事の段取りを整えるのが非常に得意です。「段取り8分、仕事2分」と言われているように、とにかく段取りがいい。例えば、材料の発注のタイミングです。私たちの仕事は材料がなければ進まないので、スムーズに仕事ができるように、材料を発注するタイミングには細かく気を配っています。

啓太

 現場作業に入る前に、施工計画と現場を確認しただけで、社長は工事の全体像がすぐにわかるようです。社長の話を聞けば、私たちも現場仕事の進め方が組みやすくなります。

雄一

 広い視野で段取りを組み立てることができるんです。例えば材料を選ぶとき、質はいいけど高いものと、それより質は劣るけど安いものがあったとします。社長は、高くても効率的に作業できるいい材料であれば、安い材料ではなく、高いほうを迷いなく選びます。たとえ3倍高い値段であっても、作業時間が3分の1になれば、重機代、燃料代、人件費なども抑えられるので、結果的に経費も低くなります。

啓太

 他の会社であっても、いいところがあればすぐにうちの会社にも取り入れる柔軟なところもあります。社長は従業員からもすごく信頼されていますね。

仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?

啓太

 公共工事の大きな現場を終わらせると、「やりきったなあ」という達成感があります。最近は大雨が多いので、山が崩れて木が何十本も倒れているような現場に入ることが増えています。そういうぐちゃぐちゃの状態を最初に見ているので、きれいになった現場を見ると、「よくあんな状態だったのをこんなに綺麗にすることが出来たなぁ」と思いますね。

雄一

 地域の方から「ありがとう」って言われた時ですね。道路に側溝を入れる工事などをすると、住民の方から「ずっと困ってたんだ」「助かった」と言われることがあります。私にとっては家業として当たり前のようにやってきた仕事でしたが、皆さんから感謝の言葉をもらうと、利益とは関係なくうれしい気持ちになりますね。

仕事をしていて大変なことは?

雄一

 始めは体力的につらい部分はあるかもしれません。入社して最初のころは筋肉痛になることもあるかもしれないですが、2~3カ月もするとだんだん慣れてきます。体力がつくというより、力の入れ方とか、重いものを持つ時のコツとか、体の使い方がわかってくる。そうすると、そこまできつい思いはしなくなります。

啓太

 一番大変なのは冬の現場ですね。吹雪の中でも外で作業をしなければいけないことがあるので、雪国で育ったとはいえ、つらい部分ではあります。冬は自分の家の除雪もあるので、まず朝起きて自宅の除雪、現場に出て除雪、降雪が多い日は帰宅してまた除雪と、一日除雪ばかりのこともあります。

 ただ、冬の厳しさを乗り越えると、「終わったなあ」とやりきった感じがします。冬が大変だった分、春はのんびりした気分になりますね。年度初めは公共工事が比較的少ないので、春の暖かな天気の中で、地元の農家さんや一般家庭の方等から依頼された工事をしています。

雄一

 大雨などの災害があった時も大変な思いをするかもしれません。河川の増水が落ち着いたら、私たちは一番最初に災害が起きた所に行かなければならないので、連絡が入って早朝に現地に行くこともあります。
 
 ただ、河川の増水や土砂崩れで孤立してしまった家があるとなると、住民の方のためにも早く復旧してあげたいので、いくら大変であっても私たちがやらなければならない事だと思っています。

会社の雰囲気はどうでしょう?

雄一

 居心地はいいと思います。従業員同士、ギスギスしているような雰囲気はまったくないですね。
 うちに来る取引業者さんも、「ちょっと休んでっていいか」と、休憩していくくらいです。

啓太

 従業員には、いい意味で仕事とプライベートの切り替えがあまりないと思います。仕事中でも「そういえば、あれどうしたっけか」なんて、突然世間話が始まることもあります。ずっと仕事モードのままだと、張り詰めて疲れてしまうので、時には皆で笑い話もしながら作業しています。

工事部長(啓太)は、以前他の会社に勤めていましたが、
この業界に入ったころと今とを比べて、どんなことを感じますか。

啓太

 私は仙台の大学を卒業し、そのまま大阪の大手ゼネコン会社に新卒入社しました。地元で働きたいという思いがずっとあったので、結婚して子どもが生まれたタイミングで地元に戻ってきました。ちょうど東日本大震災のあった2011年のことです。 

 大手の建設会社と比べると、うちは本当に小さな会社ですが、仕事のやりがいは今のほうが強く感じています。大手ゼネコンだと数十億円規模の建設事業ばかりになりますが、私たちは工事の一部分だけの担当で、そこが終われば次の現場に移動することになります。建造物が完成した姿を見ることは少なかったです。 

 齊藤工務店に移ってからは、工事部長として責任ある立場になりましたが、自分がやっている仕事だという実感があります。工事を終えたあとの現場も、発注者の顔も見られるので、やりがいは今の方がありますね。

 私がこの職業に就いたころは、建設業界全体が非常に厳しい時代にありました。大手ゼネコンといっても給料は安く、残業は当たり前、休みもないような状況で、当時と比べると、今の建設業界はだいぶ改善されて、働きやすくなったと思います。

職場環境についてどう考えていますか。

啓太

 弊社では数年前から土日休みの週休二日制になりました。私の世代だと、休日は月4、5回の日曜だけというのが普通でしたが、今は学校でも週休二日が当たり前です。従来のやり方に固執しないで、若い人たちも
働きやすいように、会社を時代が求めるものに合わせていくことが大切だと思っています。

雄一

 これは私の先輩から言われたことですが、「私の世代と今の若い人たちでは、育ってきた環境も時代背景も違う。だから、自分たちと同じことを要求する事が間違っている」と。 

 私が思うのは、今の若い人たちのことを、私たち年長者が理解しようとしてこなかったんじゃないかということです。大いに反省すべき点です。ですから、弊社も積極的に地元の学校と交流を持って、子どもたちに建設業界のことを知ってもらうのと同時に、私たちが今の若い世代のことをもっと理解していく事が大切だと思っています。

就職を考えている人へメッセージをお願いします。

啓太

 今後「齊藤工務店」はいっそう安定した会社になっていきます。
 残念ながら今はどこの建設会社も後継者がいなく、廃業する会社が増えていきます。
そうすると私たちのところで受けられる仕事が増えていくので、そういう意味では、会社としての未来は明るいと思っています。

 そこで大事になってくるのが人です。いくら仕事があっても、一緒に働いてくれる人がいなければいい仕事はできません。
 これからICTやドローンなど、新しい技術も導入していくので、それを使える若い人材が必要です。最初はわからないことだらけでも、この仕事はやる気一つで自然と体と頭が仕事を覚えていきます。
 皆さんの若いエネルギーで、明るく楽しい会社をつくっていきたいです。

雄一

 日本全国どこでもそうですが、特にこれからこの舟形町を含む新庄最上地域は人口が激減していきます。そうすると、人が少ない集落は維持が難しくなってしまいます。しかし、私たち建設業界には、この地域と地域に暮らす人の命と生活を守り、この地域の持続発展にも貢献していく責任があります。

 これから弊社では地元の学校と密に関わりを持って、地域の子どもたちに建設業や弊社の仕事のことを伝えていきたいと思っています。
 この地域を維持するためにがんばっている人たちがいることを知ってもらい、子どもたちや若い人たちに少しでも舟形町・新庄最上地域に残ってもらいたいのです。
 就学・就業で県外に一回出ていってもいいんです。それでもいずれ帰ってきてほしい。
 そのために私は、この舟形町・新庄最上地域に帰ってきたくなるような町づくりのお手伝いをして、安定して働ける会社を用意しておく。それが、この地域で商売を営ませて頂いている弊社の義務だと思っています。

私たちと一緒に働いてくれる人を歓迎します。
地域住民の生活や命を守るやりがいのある仕事をしてみませんか。